よりよい白血病治療のために
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わかりやすい白血病の話


―患者さんと家族のために―  (2011年10月・改訂第5版)

愛知県がんセンター名誉総長   大野 竜三

目次

白血病は血液のがんです。血液は赤血球、白血球と血小板の3種の血球と、これらが浮遊している液体である血漿より成っています。
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他のがんと同様に、白血病の原因と発生機序はハッキリ分かっている訳ではありません。しかし、最近の遺伝子を中心とする研究の進歩により、がんは多段階的の遺伝子異常を経て発生していると理解されています。
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白血病細胞が骨髄を占拠し、正常造血機能を抑えるために、正常の血液細胞、すなわち、赤血球、白血球、血小板ができなくなります。
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わが国の白血病発生率は年々増加傾向にあり、2009年では年間人口10万人当り 6.3人(男7.8人 、女4.9人)で、年間約7,900名が死亡しています。
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臨床所見、検査所見、診断、治療 、経過と予後について
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理由は不明ですが、慢性リンパ性白血病は欧米に比し、日本人やアジア人では1/10程度の発症率しかない稀な白血病です。
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慢性リンパ性白血病とは逆に我が国に特徴的に多く、レトロウイルスHTLV-1により発症し、母乳による母子間、夫から妻への夫婦間や輸血で感染します。
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骨髄異形成症候群は、骨髄では造血細胞は十分生産されているにもかかわらず、末梢血液中では赤血球・白血球・血小板が減っている病気です。
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急性前骨髄球性白血病に対するレチノイン酸療法や慢性骨髄性白血病に対するイマチニブの出現により、この二つの白血病の治療成績が劇的に向上したことでもお判りのように、医学は日進月歩しています。
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