2013年のASHはNew Orleansで開催されました。小雨が降り冷え込む気候の中ではあるが、会場は毎年同様熱気に包まれていました。
私の報告はCEBPA変異を持つ急性骨髄性白血病(AML)は正常核型に多く、表面マーカーの発現に特徴があることは知られていますが、その表面マーカーのパターンを呈する正常核型AMLは無イベント生存・全生存率ともに独立した予後良好な因子というものでした。ポスター発表であり、また会場の隅っこだったこともあり過疎地となっていました。
しかしAMLの中でも私と同じBiology,Cytogenetic and Molecular Markers in Dianosis and Prognosisのセッションの演題は非常に多く、AMLの分子学的異常の同定を追随する形で発表されている現状が浮き彫りとなっています。
AMLの中でも注目度の高い演題は、FLT3阻害薬であるquizartinibの化学療法併用治療のphase Iが終了し、今後長期的な予後の改善につながるかが検証されることになるというものでした。この一年間でphase Iを終了させる諸外国の機動力には今年もやはり驚かされました。
他、gemtuzumab ozogamicinの有用性や、KIT陽性CBF-AMLに対してdasatinibの治療の成績が示されたことも注目の演題でありました。
今後、わが国からもJALSGを中心にAMをはじめとした造血器疾患の分子学的異常と臨床の関連が明らかにされることを期待しています。