1) 済生会前橋病院 白血病治療センター
2) Japan Adult Leukemia Study Group
宮脇修一1)、大竹茂樹2)、藤沢 信2)、清井 仁2)、品川克至2)、薄井紀子2)、宮村耕一2)、西村美樹2)、
宮崎泰司2)、西井一浩2)、永井 正2)、山根孝久2)、大西一功2)、直江知樹2)、大野竜三2)
宮脇 修一 先生(済生会前橋病院)
Long-Term Follow-Up of the Randomized JALSG AML 201 Study Comparing high dose Ara-C Therapy with Conventional Consolidation Therapy in Adult Acute Myeloid Leukemia (AML)
目的
未治療成人急性骨髄性白血病を対象に増量したDNRを含む寛解導入療法と標準量のIDRを含む
寛解導入療法により寛解がえら得た症例を対象に、治従来のJALSGで行ってきた4コースの
地固め療法とAra-C大量療法3コースの治療成績を比較した。
寛解導入療法により寛解がえら得た症例を対象に、治従来のJALSGで行ってきた4コースの
地固め療法とAra-C大量療法3コースの治療成績を比較した。
方法
対象症例はM3を除く未治療のAMLで、 年齢は15歳から 64歳で、PSは0から3とした。
標準量のIDRを含む治療(A群)はIDR 12mg/m2/day day1-3点滴静注, Ara-C 100mg/m2/day day1-7 持続点滴、増量のDNRを含む治療(B群)はDNR 50mg/m2/day day1-5点滴 静注,Ara-C 100mg/m2/day day1-7 持続点滴であった。
Ara-C大量による地固め療法(C群)はAra-C 2000mg/m2/day x2 day1-5 2時間以上をかけて点滴静注、従来の地固め療法(D群)はMIT 7mg/m2/day day1-3点滴静注,Ara-C 200mg/m2/day day1-5 持続点滴、DNR 50mg/m2/day day1-3点滴静注,Ara-C 200mg/m2/day day1-5持続点滴、ACR 20mg/m2/day day1-3点滴静注,Ara-C 200mg/m2/day day1-5持続 点滴、ETP 100mg/m2/day day1-5点滴静注,Ara-C 200mg/m2/day day1-5持続点滴、VCR 0.8/m2/day day8静注、VDS/m2/day day10 静注の4コースを行った。
標準量のIDRを含む治療(A群)はIDR 12mg/m2/day day1-3点滴静注, Ara-C 100mg/m2/day day1-7 持続点滴、増量のDNRを含む治療(B群)はDNR 50mg/m2/day day1-5点滴 静注,Ara-C 100mg/m2/day day1-7 持続点滴であった。
Ara-C大量による地固め療法(C群)はAra-C 2000mg/m2/day x2 day1-5 2時間以上をかけて点滴静注、従来の地固め療法(D群)はMIT 7mg/m2/day day1-3点滴静注,Ara-C 200mg/m2/day day1-5 持続点滴、DNR 50mg/m2/day day1-3点滴静注,Ara-C 200mg/m2/day day1-5持続点滴、ACR 20mg/m2/day day1-3点滴静注,Ara-C 200mg/m2/day day1-5持続 点滴、ETP 100mg/m2/day day1-5点滴静注,Ara-C 200mg/m2/day day1-5持続点滴、VCR 0.8/m2/day day8静注、VDS/m2/day day10 静注の4コースを行った。
結果
2001年12月より2005年12月まで1064例が登録され1057例が評価可能であった。
年齢は15歳から64歳で 中央値は47歳で、男女比は637/427であった。
寛解率は、A群、B群共に78%であった。
寛解が得られた 825例のうち781例が、C群389例、D群392例に割り振られた。
観察期間の中央値は48ヶ月で、5年全生存率は、C群57.8%、D群55.9% (p=0.96)、
無再発生存率はC群43%、D群39% (p=0.73)であった。
CBF白血 病症例の5年全生存率は、C群75%、D群66% (p=0.17)、無再発生存率はC群57%、D群39% (p=0.05)であった。
中間群の染色体を有する症例の5年全生存率は、C群52%、D群54% (p=0.48)、無再発生存率は C群38%、D群39% (p=0.41)であった。
また、予後不良の染色体を有する症例の5年全生存率は、C群39%、D群21% (p=0.40)、無再発生存率はC群32%、D群14% (p=0.37)であった。
50歳以上の症例の5年全生存率は、C群50%、D群40% (p=0.16)、無再発生存率はC群40%、D群28% (p=0.23)であった。
地固め療法中白血球の最低値、好中球減少期間は共にC群が低く長期であった。
感染症の発症頻度はC群21%、D群15% (p<0.001)であった。G-CSFの投与頻度や投与期間は
C群に於いて有意に高頻度、長期間であった。
しかし、治療後30日以内の早期死亡は C群0.9%、D群0.6% (p=0.39)で差はなかった。
年齢は15歳から64歳で 中央値は47歳で、男女比は637/427であった。
寛解率は、A群、B群共に78%であった。
寛解が得られた 825例のうち781例が、C群389例、D群392例に割り振られた。
観察期間の中央値は48ヶ月で、5年全生存率は、C群57.8%、D群55.9% (p=0.96)、
無再発生存率はC群43%、D群39% (p=0.73)であった。
CBF白血 病症例の5年全生存率は、C群75%、D群66% (p=0.17)、無再発生存率はC群57%、D群39% (p=0.05)であった。
中間群の染色体を有する症例の5年全生存率は、C群52%、D群54% (p=0.48)、無再発生存率は C群38%、D群39% (p=0.41)であった。
また、予後不良の染色体を有する症例の5年全生存率は、C群39%、D群21% (p=0.40)、無再発生存率はC群32%、D群14% (p=0.37)であった。
50歳以上の症例の5年全生存率は、C群50%、D群40% (p=0.16)、無再発生存率はC群40%、D群28% (p=0.23)であった。
地固め療法中白血球の最低値、好中球減少期間は共にC群が低く長期であった。
感染症の発症頻度はC群21%、D群15% (p<0.001)であった。G-CSFの投与頻度や投与期間は
C群に於いて有意に高頻度、長期間であった。
しかし、治療後30日以内の早期死亡は C群0.9%、D群0.6% (p=0.39)で差はなかった。
結語
増量したDNRと標準量のIDRを含む寛解導入療法の効果は同等で、高い寛解率(78%)が得られた。
Ara-C大量による地固め療法と従来の地 固め療法の効果は同等であったが、CBF白血病と予後不良の
染色体異常を有する症例においてはAra-C大量の成績が良好である傾向があった。
Ara-C大量による地固め療法と従来の地 固め療法の効果は同等であったが、CBF白血病と予後不良の
染色体異常を有する症例においてはAra-C大量の成績が良好である傾向があった。