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足立 佳也 先生(名古屋大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学)

今回97日から10日にかけてTexasHoustonのアップタウンに位置するWestin GalleriaOaksで開催されたSociety of Hematologic Oncology (SOHO) 2016 4回年次総会に参加させていただきましたので、そのご報告とご紹介をさせて頂きます。

SOHO年次総会は血液腫瘍全般を対象として主に臨床に重きをおいた演題プログラムが組まれております。また特筆すべきこととして、多くの演者の先生が現在の血液腫瘍学を牽引する著名人であること挙げられます。今回の年次総会の規模は、参加人数は約1000人、会場は数百人を収容可能な主会場1カ所と副会場が数カ所と多くはないものの、3日半の会期で100を超える演題が用意され、朝7時から夜7時頃まで隙間なくプログラムが組まれており非常に密度の濃い学会でした。

基本的なプログラム構成としては、AML,MDS,ALL,ML,MMなど10疾患を対象として疾患ごとにセッションが区切られ、それぞれのセッションに約半日の時間が当てられました。セッション毎の演題としては「How I treat ・・・」で始まり、疾患概念、病因、診断におけるWHO2016への改訂を踏まえた最新のトピックス、そして阻害剤、抗体医薬、免疫療法から移植まで多岐にわたる最新の治療に関するトピックスと続き、その後現在臨床医にとって興味深いテーマを対象とした会場参加型のDebate programが行われました。最後には応募演題の中から選ばれた2演題の口演があり、セッション全体をサマライズした講演によって締めくくられるという形でした。このようにセッションは統一されたコンセプトで成り立っているため、講演内容に入り込みやすく理解の助けとなりました。密度の濃いスケジュールでしたが質疑応答の時間まで白熱した議論が交わされたことは、各演者の先生方の時折冗談を交えた飽きさせない見事なプレゼンテーションにより聴衆が引き込まれていたことを物語っていました。

このようにSOHO年次学会はASHと比較して小規模の学会ですが、それゆえにat homeな雰囲気で、1カ所にいながら多くの臨床血液腫瘍の最新情報を効率的に短時間で得ることが出来る非常に貴重な機会であるといえます。SOHOは今回で4回目の年次総会を迎える比較的若い学会であり日本ではあまり知名度が高くないためか、日本からの参加者はまだ少ないようでした。第5回年次総会もHoustonWestin GalleriaOaks913日から16日の会期で開催されることが決まっています。世界最先端の臨床動向を感じることのできる非常に有意義な年次総会ですので、ご興味のある先生方は是非一度ご参加ください。

総会以外には学会最終日が午前中で終了することを利用して、大野先生にご紹介いただいたMDACCで勤務されている日本人医師の先生に今回日本から一緒に参加した原田先生と共にMDACCHoustonの街を案内していただきました。MDACCの雰囲気を実際に肌で感じることができ貴重な体験をさせて頂きました。また食事にも連れて行っていただき美味しいものを食べることができ、こちらも良い思い出となりました。

最後になりましたが、このような素晴らしい学会にポスター発表と参加の機会を与えて下さり、現地でも多くのことをご指導いただきました大野先生に深く感謝申し上げます。
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