SOHO2019参加報告書
この度、2019年9月11日~14日に米国ヒューストンで開催されたSociety of Hematologic Oncology (SOHO) 2019 annual meetingに参加させていただきました。SOHOはまだ比較的新しい学会で、日本での認知度は高くないものの、母体であるMD Anderson Cancer Centerを始め、血液内科を専門とする医師、研究者などが世界中から集まり、臨床を中心とした最先端の知識を多く学ぶことができました。
会期中は、朝のBreakfast with the expert sessionに始まり、夜のDinner sessionまで一日を通して充実したプログラムが設けられており、各疾患の最新の臨床試験や治療についての知見が得られます。いずれも一会場で行われるため、聞きたい講演が同時に行われており、どちらか一方しか聞けなかったり、大きい会場にありがちな移動の大変さはなく、講演に集中することができました。私自身英語力がそれほど高いわけではなく、国際学会も初めての経験でしたが、各講演で使われたスライドが配布されるため、聞き逃した内容もあとでじっくりと調べながら学ぶことができます。
私は血液内科臨床医として勤務した後、今年から大学院で研究を始めています。今回の学会は主に臨床に焦点を当てた内容でしたが、最新の治療や臨床試験の根底には、基礎研究で培われたデータや研究成果の蓄積があり、現在行っている研究をどのように臨床につなげていけるか考えるよい機会になりました。そして、現在アメリカに留学して研究を続けている研修医時代の同期と再会することもでき、その姿に大変刺激を受けました。
最終日には、MD Anderson Cancer Centerの見学をさせて頂き、同施設で活躍されている佐々木宏治先生のお話を聞くこともできました。日本との違いに愕然とさせられることが多く、日本の医療における人員不足や医療財源の問題、新薬開発におけるドラッグラグの問題など、国内にいただけでは感じることのできない世界との差に改めて気付かされました。これから少しでも多くのことを学び、微力ながらも医療の発展に貢献できるような医療者になりたいと心から思いました。
最後になりましたが、Young Investigator Grantとして学会参加の機会を与えてくださり、現地でも手厚いご指導を下さいました愛知県がんセンター名誉総長の大野竜三先生に感謝を申し上げます。