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永沼 謙 先生(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科)

学会参加報告書

 2023年7月6日から9日までにアメリカのヒューストンにて開催された「The 7th annual meeting Society of hematological oncology(SOHO)」にYoung Investigator Travel Grantとして参加させていただきました。

 本学会は教育的な側面が強いのが特徴です。会場は1つに集約されていて、朝は6時から夜は8時まで各分野のspecialistが15分程度、基礎研究から現在まで臨床研究またこれからの治療戦略についての講演があります。造血器腫瘍の最先端の知識を多く学ぶことができました。また各講演のスライドがapplicationからダウンロードすることができ、セッションの後に見直すこともできます。 特に印象的だったのは、各分野においてもbispecific抗体の開発が進み話題となっていました。特に濾胞性リンパ腫では、mosunetuzumabがFDAに承認されており話題の中心となっていました。bispecific抗体とCAR-T療法との位置づけはどの領域においても議論されており、今後の造血器腫瘍の診療の中心は免疫療法に変わっていく可能性を感じました。

 私自身にとって初めての海外での発表であり、poster sessionでは海外の先生と議論させていただくことができ、貴重な経験となりました。またYoung Investigatorは、ランチョンセッションで各分野のspecialistと同じテーブルで食事をいただく機会が与えられます。今後の造血器腫瘍の治療戦略について議論や研究・キャリアに有用な助言を多数いただくことができ、大変勉強になりました。

 今回このような国際学会に参加および発表させて頂き、最新の情報を得ることや世界各国の臨床・研究者との情報交換は、国内学会では獲得しづらい有意義で貴重な経験であり、また今後日々自己研鑽のモチベーションを高める良い機会となりました。最後になりますが、このような機会を与えていただいた愛知県がんセンター名誉総長の大野竜三先生に心から感謝を申し上げます。今回得た経験を日常診療・研究に生かせるよう、今後も精進していきたいと思います。
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