このたび、NPO-JALSGからの研修費補助をいただき、ASH2008へ参加させていただきました。
新規登録症例数に応じたもので、当科が現在国内5
指に入る症例を抱えていたということ自体が驚きだったのですが、日頃数多くの症例を抱えつつ研鑽の日々を送る後期研修医の立場としては、これほどの「ごほうび」はありませんでした。
国際学会へは初めての参加でしたが、広大な見本市会場3つにまたがる規模は国内の学会ではとうてい考えられないものであり、その中で繰り広げられる世界
中から集まってきた約24000もの人々によるdiscussionは極めて刺激的でした。私は残念ながら日程の都合で12月6?8日にかけての2日半のみの参加となってしまいましたが、その雰囲気を十分に堪能することができました。
まずEducation
programにいくつか参加しましたが、多発性骨髄腫では、Bortezomib・Lenalidomideといった新規薬剤とDex、
Cyclophosphamideといった併用療法の有用性が指摘されておりました。またPTCLについてのセッションでは、改訂されたばかりの新WHO
分類の概説から始まり、T/NKリンパ腫の現状についてまとめられておりました。
Plenary
sessionで発表されていたITPに対するDex+rituximabの奏効率も魅力的でした。
Rituximabにせよ骨髄腫の新規薬剤も含め、こ
れらの薬剤の早期認可・適応拡大は日本における課題の一つであると実感しました。
幸運なことにPioneers in Transplantationに参加することもできました。紙の中の人でしかなかったDr
Thomasらexpertsを目の当たりにし(会場のマイクが不調だったのが残念ですが)、血液学の進歩の歴史に奮い立たされるような気分となりました。
余談ですが、私は個人的に英語をトレーニングしているのですが、国際学会という舞台でも自身の言葉である程度コミュニケーションをとることができたのは大きな自信となりました。
ぜひ次は私自身の演題を携えて参加しようと決意してサンフランシスコから冬の信州へと戻り、いま興奮を思い出しながら見聞録を書いております。
常日頃維
持してきたモチベーションを改めて刺激された2日半でした。
さらに研鑽を積み臨床面・学術面において反映していきたいと思うと同時に、ぜひ機会があれば留学したいという意思も強くなりました。
最後になりましたが、このような機会をくださったNPO-JALSGに感謝申し上げます。
また多忙の中快く私を送り出してくれた当科小林部長以下諸先生方にもこの場を借りて感謝致します。