この度、JALSG-NPOより米国血液学会への研修に対する費用援助をいただき平成20年12月6日から8日までの間、サンフランシスコにて開催された学会に参加してまいりました。
青森から参加した私としては、雪の積もっている青森から東京、サンフランシスコという移動で非常に温暖なサンフランシスコでの環境は快適で、日々の診療から解放されて心も体も癒される旅行となりました。
もちろん学会参加で、最先端の研究発表にふれることができ大変貴重な経験を
させていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
誠にありがとうございました。
私は、昨年に引き続き米国血液学会へ2回目の参加となりました。
昨年は学会期間中の講演のスケジュールなどもうまく把握できず右往左往している間に終わってしましましたが、今回は比較的うまく計画して内容の充実した研修となりました。
どの領域の演題も新鮮で興味を引かれる演題ばかりでしたが、その中でも今回最も印象に残っているのは急性骨髄性白血病に関する演題が多く、この度改訂される新WHO分類にも含まれている急性骨髄性白血病の遺伝子異常
(FLT3-ITD、FLT3-TKD、NPM1など)に基づいた分類、予後予測、それに基づいた治療戦略の決定に関する演題でした。
これまで、
JALSGでも遺伝子異常に関して解析された報告でも知識は得ていましたが、そのDATAが今後、実際の臨床に生かされて予後予測を元にして治療戦略決定
の一助になっていく事を知り白血病診療の進歩を実感できました。
また、その他の領域の演題では、実際日常診療で日々頭を悩ませている同種造血幹細胞移植後の管理に関する演題に興味が引かれました。慢性期の晩期合併症
に関する演題も興味を引かれましたが、中でも、コントロールの困難な重症急性GvHDに対する治療戦略に関する報告に興味がわきました。
具体的には
TNFαに関連した薬剤(etanerceptや、Infliximabなど)、MMF(Mycophenolate
mofetil)、CD25に関連した薬剤(Denileukin
Diftitox、basiliximabなど)のsteroid抵抗性の急性GvHDに対する効果に関する報告で、それらの薬剤が日常診療の中で(保険
診療の中で)使用することができるようになれば、より安全な同種移植が実現でき血液疾患の患者さんの予後の改善につながる可能性を感じました。
私自身、毎年日本血液学会総会に参加して、新しい知識を得てそれによって日々の診療、研究に対するモチベーションを高く保って来ましたが、全世界から参
加している米国血液学会では、学会の規模、演題数などにも圧倒され、非常に有意義な研修ができ、さらなる研鑽に挑む気持ちがわいてきました。
今後も機会があれば積極的に参加してきたいと思います。
最後に、今回このような機会を与えてくださった諸先生方、事務的な手続きをお世話してくださった方々に深く感謝気持ちを表して学会参加報告とさせていただきます。誠にありがとうございました。