初めての国際学会であり、いったいどのようなものであるのか想像もつきませんでしたが、JALSGよりASH
への参加という大変貴重な機会を頂き、そして
病院の留守を先輩医師の皆様にお願いした身として、
とにかく少しでも多く何かを学びとろうと、期待と不安の入り混じった気持ちの中、ニューオリンズへ出発致し
ました。
会場に到着して、まず最初の印象は、「規模が大きい」とうものでした。
会場の広さだけではなく、参加人数、発表演題数、参加者の国籍の数などどれをとってもその規模の
大きさに圧倒されました。学会では教育講演やオーラルセッション、ポスターセッションなどを見学しました。
その時に感じたことは、人種や国が違っても、各疾患で直面している課題や
問題点は世界共通なのだなと
いうことでした。例えば、高齢者AMLでのRISTを含む移植医療の可能性について、いくつかの国で、それぞ
れ臨床研究を行っ
た報告をしておりました。こうした、共通した課題に対し、それぞれの臨床研究で症例を
積み重ねて検討するという地道な姿勢といのも世界共通なのだなと、当
然と言われれば当然のことなので
すが、実際に発表を見聞きする中で、改めて実感することができました。そして、こうした臨床研究がさらに
積み重なり、そう
した報告を大きな学会で多くの人々が見聞きしたり、議論したり、文献という形でさらに広
範囲に伝わっていく中で、新たな知見というものが浸透していくのだ
なと感じ取ることができたのは貴重な
経験であったと思います。
また、様々な新規薬剤のphase 1やphase
2試験の報告もされており、血液疾患領域での医療の進歩も目の
当たりにすることができました。また、もう一つASHへの参加を通して感じたことは、言葉の
壁でした。
上述の如く、人種や国、そして母国語が異なっても、共通した課題や問題点に対峙していく以上、見聞きし
たり、時にはコミュニケーションをとった
りしていく上では、国際的言語である、英語の能力はどうしても必要
になってくるのだと、ひしひしと思い知らされました。
1つ1つ症例を、地道にこつこつと積み重ね、新たな知見を導き出すという臨床研究の在り方を見習って、
日々の臨床現場や研究の場で、地道に努力を継続し
て少しでも患者さんに還元できるような医師になれる
よう、今回のこの貴重な経験をしっかりと今後に生かしていきたいと思います。
最後となりましたが、私のような若輩者にこのような素晴らしい機会を与えて頂きましたJALSG関係者の
皆様、そして病院の留守を引き受け、快く送り出して下さった先輩医師の皆様に心より感謝致します。