よりよい白血病治療のために
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板楠 今日子 先生(愛媛県立中央病院 血液腫瘍科)

この度は、JALSG Young Investigator ASH Travel Awardに選出していただき、
2011年12月10日~13日にSan Diegoで開催されたASH2011に参加させていただきました。
私にとって、初めての国際学会であり、会場の大きさと参加者の多さに圧倒されながら、
必死に会場をまわる3日間でした。
ASHでは、教育講演を中心に聴講し、posterをみてまわりました。

MDSのsessionでは、
遺伝子変異のみならず、epigenetic regulatorの変異により有効な薬剤が異なることや、サリドマイドの
MDSへの効果が述べられました。予後予測や治療反応性の予測などがこれまでと 変化することが
予想され、さらにきめ細かい治療が可能となることを実感しました。
HSCTのsessionでは、
Allo SCTにおけるGVT effectについて、GVL効果を増強させるvacctinationについて、
CMV予防の戦略について述べられました。Vacctinationに関しては、今まで聞いたことがない話題であり、
非常に興味を持ちました。

ALLのsessionでは、
小児における2次発がんなど晩期副作用に関してや、rituximabをはじめとした抗体療法について
述べられました。使用できる薬剤の違いを知り、日本との差を実感しました。
CMLのsessionでは、
最初から第2世代TKIを用いるべきかどうかや、PotatinibのT315変異に対する成績、
またCMLはcureできるのかという問いに対し、 Immunotherapyとの併用に関して、述べられていました。
友人がCMLで亡くなったことが、血液内科を志すきっかけになった私にとって、新規薬 剤の話題は、
身の引き締まる思いで拝聴しました。

Plenary session
では、
京都大学の高山先生のiPS細胞から大量の血小板を作製する方法についての発表は、
将来の血小板供給に関して非常に興味を持てたとともに、何よりPlenaryの2番目に日本人の
Drの発表を聞くことができ、非常に感銘を受けました。
またフランスのグループからの、高齢AML患者におけるGO併用標準化学療法の有用性検討する
phase3試験の報告では、寛解導入療法後のCR/CRp 患者の割合に有意差を認めなかったものの、
EFS中央値は標準治療群の11.9か月に対し、GO併用群では19.6か月と有意な延長が認められ、
OS中央 値やRFS中央値も同様でした。

 耳から入る情報が少なく、スライドを追いかけるだけで終わってしまい、英語力のなさを痛感した
3日間でもありました。ASH参加を通じて世界の広さを肌 で感じることができ、忙しい毎日の中でも流されず、
少しでも近づけるように努力を続けなければいけないと強く感じました。
また、JALSG主催の親睦会を通して、同世代の全国から参加された先生方と交流することができ、
非常に刺激となりました。
このような特別な機会を与えてくださった、JALSG関係者の皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
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