まずはASHに参加する機会を与えて頂きましたJALSGの先生方,事務局の皆様に深く感謝いたします.
簡単ではございますが,ASHの感想を報告させて頂きます.
膨大な規模を誇る学会であるため,私が最も興味を持っている同種造血幹細胞移植領域にテーマを
絞って演題を見聞き致しました.特に自施設で臨床研究を行
なっている,移植後に大量シクロフォス
ファミドに用いたHLA半合致移植(ハプロ移植)に関しては,イタリアのグループからの50例の報告に
おいて90%
の生着と,early
diseaseであれば7割近い長期生存が得られるという結果は驚くべきものでした.
同グループからはハプロ移植後のDLIの報告もあり,自施設でも参考
にできるものと思われました.
他にも同様のハプロ移植の発表はいくつかありましたが,昨年よりは発表数も少なく,
アメリカでは最早特別な移植ではなくなっ
たような印象も受けました.しかし,その適応疾患や前処置の
強度など,未だ改善できる余地は残されていると感じます.
それらの問題点について,発表者の
方々と直接意見交換ができたことは,大変有意義でした.
同様のハプロ移植を行う施設は日本では未だ少数であるため,同移植を多数行っている第一線の研究者
と接することができたことは,ASHに参加できたが故の収穫です.
また自施設のDIC 55例に対する組み換え型トロンボモジュリン製剤の使用経験について,
後方視的に解析したポスター演題を発表させて頂きました.日本で開発された製剤であり,
世界的には使用経験が浅いことから,多数の方々に興味を持って頂けました.
現地でのJALSGの懇親会では,日本の白血病診療をリードする先生方のお話しを伺う機会がありました.
自分自身の研究の方向性に関わる重要なサジェスチョンを頂くこともでき,今後も様々な形でJALSGと
関わっていきたいと感じられる,有意義な会であったと思います.
このような貴重な経験をさせて頂いたJALSGに感謝いたします.今後もJALSGへの症例登録を
進めると同時に,来年度以降,後輩にも当award
への応募を薦めたいと思います.