この度はJALSG Young Investigator ASH Travel Awardによるサポートというご厚意を賜り、2013年12月7日から10日までLousiana州New Orleansで行われました第55回米国血液学会に参加してきました。
私にとって初めての海外学会参加でしたが、想像していた以上のスケールと刺激的な内容に溢れるもので、非常に有意義な経験をさせていただきました。以下、何点か印象に残った発表に関してレポートさせていただきます。
Abstract#0406
多発性骨髄腫の自家移植後lenalidomide維持療法に関する報告がされました。Lenalidomide群でPFSが延長するも、OSは無治療群と同等であり、その原因は維持療法群では再発後の治療効果が劣るためでした。二次発癌のリスクもあり、自家移植後の維持療法に関して疑問が投げかけられ、場内もややざわついていたのが印象に残りました。
Abstract#0544 日本から急性リンパ性白血病に対する中等量VP-16併用CY+TBIを前処置とした造血幹細胞移植の有用性について報告されました。1年EFSが76%、1年OSが80%と比較的安全かつ、治療効果も期待できる前処置です。長期成績の追加報告が待たれますが、本邦からの優れた治療成績に、日本の血液内科医の一員として誇らしい気持ちを抱きました。
Late-Braking Abstracts-1,2
AK-2変異を有さない骨髄増殖性疾患においてcalreticulinをコードするCARL遺伝子の変異がみられることが報告されました。これにより骨髄増殖性疾患の診断や治療が新たなステージへ進むことが期待されます。まだ論文化されていないような新鮮かつ重要な発表を聞くという大変貴重な経験になりました。
この他にも、日本から多くの先生が口演発表、ポスター発表をされており、世界の研究者と討論を重ねていたのが印象的で、自分もいつか同じような舞台へ立ちたいと強く感じました。まだ、私の語学力は未熟で、期間中もディスカッションをしっかりできなかったこともあり、今後はこの経験を糧にさらに邁進していきたいという思いを強く持ちました。
最後になりましたが、この様な貴重な機会を私に与えてくださった、JALSG支援機構の先生方、事務局の皆様、そして、私を快く送り出してくださった当院のスタッフの方々に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。