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池川 俊太郎 先生(都立大塚病院 輸血科)

ASH2013Report 都立大塚病院輸血科 池川 俊太郎

  この度はNPO-JALSGのご支援により、2013年12月にニューオーリンズで開催されたASHに参加させていただきましたのでご報告いたします。初めての国際学会であり、参加者の多さ、会場の規模の大きさに圧倒されました。
今回、前半は教育講演、後半は主に白血病と同種移植に関する口演発表、ポスター発表を見て回りました。
以下に興味深かった発表をご報告いたします。

Oral session #0305

 ハイリスクMDSの移植前HMAや化学療法の意義を後方視的に解析した。MDSの移植後EFSに関する単変量解析では移植前のHMA治療群は無治療群と比較して予後不良であり、移植時病期による差は見られないなどの結果であり、多変量解析ではMKとCMMLが有意に予後不良であった。

Oral session #0542
 40-60歳のAML症例でCR1でのallo-SCT施行した2974例をretrospectiveに解析し、前処置強度 (MAC vs. RIC) と予後の相関を検討した。MAC群が若年者多く、予後不良染色体が少なかったにも関わらず、OSとLFSに差はなかった。MACの予後不良群に対するRICのへの優位性は示されず、少数例ではあるが、予後良好群へのRICの優位性が示された。

Oral session #0703
 急性GVHDに対する少量ステロイドのRCT。aGvHD gradeⅡaをpredonisone 0.5mg/kg/dayと1.0mg/kg/dayに、aGvHD gradeⅡb-Ⅳを1.0mg/kg/dayと2.0mg/kg/dayにランダム化した。Primary endpointの初期治療開始後42日目までのステロイド積算量33%減少であったが、これは今回の解析では達成できなかった。しかし、gradeⅡaへのpredonisone 0.5mg/kg/day投与は安全で有効であることが分かった。

  この他にもAZAやLENなどの薬剤が様々な疾患において使用が試みられており、また、リンパ系疾患ではBTKに関する新規薬剤の報告が相次いでおり、治療の進歩を実感することができたとともに、膨大な情報量に圧倒された1週間でした。

 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えていただいた、JALSG関係者の皆様に御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。




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