この度はJALSG Young Investigator ASH Travel Awardの支援のもと、ニューオーリンズで開催された第55回米国血液学会(ASH)へ参加させて頂き、誠にありがとうございました。海外の学会に参加することは初めての経験で、すべてが新鮮でした。ASH参加を通しての感想を報告させて頂きます。
まず会場に着いてすぐに、その広さ・参加人数の多さに驚かされました。人混みの中を会場の端から端まで移動するのに10分程度はかかる程で、メインの会場はとてつもなく広いスペースに、巨大なスクリーンが複数用意され、そこに空き椅子がない程にたくさんの聴衆が入っていました。演題の内容も多岐に渡っており、いずれも興味深い内容で、限られた時間の中でどの演題を聴きにいくかも非常に悩ましい限りでした。
主に教育講演を中心に勉強させて頂きましたが、その中で特に印象に残ったのは、多発性骨髄腫のセッションでした。無症候性の骨髄腫の中から、遺伝子・染色体異常を含めた様々なBiomarkerや画像検査などによってHigh risk症例を検出し、早期の治療を行うことによって予後を改善させる可能性があるという内容がありました。骨髄腫治療がこの数年で急速に進歩してきていることは自覚していたつもりでしたが、治療は症候性になってから行うことが当然であると考えていたので、その前段階からの治療について検討されるようになっていることは自分にとっては新しい知見でした。
また、自分の演題をポスター発表させて頂く機会にも恵まれ、いくつかの質問を受ける中で新たな課題点も浮かんできたことも良い経験になりました。
全体を通して、自分の英語の未熟さ故に、十分に内容が理解できない部分も多く、吸収できる情報が減少してしまうという事を実感し、語学学習へのモチベーションにもなりました。
最後に、このような貴重な機会を与えていただいたJALSGの先生方・事務局の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。