この度、JALSG Young Investigator ASH Travel Awardから助成をいただき、第57回American
Society of Hematology (ASH) annual meetingへ参加しましたので、報告致します。
ASH annual meetingは世界各国からおよそ2万人以上が参加し、年々その規模は拡大し国際的に
最大の注目が集まり、分子生物学から臨床研究まで多岐に渡る演題が発表される、血液学の分野
で世界最大規模の学会です。
私は今回、成人における初発急性骨髄性白血病のBody mass index (BMI)の予後因子検討の他
施設臨床研究についてのポスター発表で学会に参加しました。30年来基本的な治療法の進歩は
日進月歩の領域で実投与量を調査しての治療成績の発表では、発表内容の解説を求められるだ
けでなく御自身の研究結果と絡めたディスカッションをしてくださる先生が多く、発表者であ
る私の方が、未発表や発想の容易には出ない知見について教えていただきました。他の先生の
口頭発表やポスターも自分の研究と関連の深いものばかりで、今後研究を続ける上で参考にす
べき情報を数多く得ることができました。
とても充実した学会であったともに、一研究者としての自分の在り方を考える契機としても、
今回の学会参加はよい機会となりました。演題のなかには自分や同じ研究室のメンバーとほぼ
同じテーマの発表もあり、競合する研究者が世界中にいることを改めて認識させられました。
すでに結果の蓄積されているそれらの研究の後追いにならないためにも、独自の視点を持って
研究を発展させることの必要性を感じています。そして、自分の英語が不十分であることも痛
感しました。ポスターセッションでは自分の意見を伝えるために最適な言葉が出てこず、円滑
なディスカッションができなかったことを残念に思っています。英語の読み書きだけでなく、
自由に英語を話せる能力が必須であると認識できたことも、本学会参加の有意義な点でした。
本学会は、研究のための情報収集の場としても、研究者として自分に足りないものを認識する
機会としても、非常に貴重な体験となりました。このような機会を与えてくださったJALSG Young
Investigator ASH Travel Awardと、JALSGで多大なる貢献をされてきた諸先輩方、渡航にあた
ってご尽力いただいた当所属施設の担当者、ならびに大学院教務係の皆様に、心より感謝いた
します。