この度は、JALSG Young Investigator ASH Travel Awardに採用頂き、誠にありがとう
ございました。2015年12月5日から8日の期間開催された58th ASH Annual Meeting & Exposition
に参加してまいりました。
私は、急性リンパ性白血病(ALL)に個人的な興味を持っています。当科の前教授、竹内先生
からALLの治療の歴史と現在の治療法について厳しく指導されてきました。
今回のASHにおいても、ALLを中心に拝聴させていただきました。
JALSGのMTXの投与量別の層別化試験で、成人ALLにおいての大量MTX療法の必要性を証
明していたことはとても感銘を受けました。また、Ph陽性ALLにおいてもDasatinibを用いた治療
により、予後が改善し、将来は同種骨髄委嘱なしでも長期寛解が得られる可能性を感じ、非常に
刺激を得ました。また、CD19をターゲットとしたCART療法は海外では実用段階に入っており、臨
床試験で驚異的な成績の報告があり、白血病治療も大きな変換点に来ているのではないかとも
感じました。
我々の施設は以前からJALSGに参加させて頂き、私も研修医、そして血液膠原病内科入局後も
JALSGのプロトコールで治療してきました。現在も急性前骨髄球性白血病、急性リンパ性白血病
の患者を最新のJALSGプロトコールで治療しています。今はまだ、一人一人を治療することで
精一杯であり、未熟さを痛感していますが、今回のASHでは同世代でも堂々と発表している人た
ちを見て、自分ももう一歩踏み出してみようと考え始めました。
今後はJALSGにもっと深く参加し、もっと知ることで、次の時代のJALSGの担い手として成長して
いければと考えています。日本の白血病治療に貢献し、より良い治療を世界に発信していくため、
私たち世代が盛り上げていかなければならない、帰りの長い飛行機ではそんなことを考えていま
した。
最後になりましたが、この度はJALSG Young Investigator ASH Travel Awardに際しお世話に
なったNPO-JALSG支援機構のみなさまに感謝いたしております。ありがとうございました。