この度はJALSG Young Investigator ASH Travel Awardに御採択頂き、誠にありがとうございました。国際学会自体が初めてでしたので、大変貴重な経験となりました。
本年度のASHは12月1日〜4日にかけて、サンディエゴで開催されました。カリフォルニア州南端に位置する同都市は1年を通じて温暖な気候と青い空が広がる観光地としても人気のスポットで、冬に差しかかっていた日本と比較するとリゾート地に来たような開放的な気分で学会を満喫することができました。会場は極めて広く多種多様な講演が行われていましたが、私は主に日中は教育講演を聴講し、夜はポスターセッションに参加するという形で動いていました。自施設は同種移植をメインに行っていますので、特に急性白血病の新薬、移植治療に関するテーマを重点的にフォローしました。
AMLに関しては、予後良好群のinductionにgemtuzumab
ozogamicinを組み合わせること、FLT3-ITD変異陽性であればmidostaurinを組み合わせること、secondary
AMLであればCPX-351
(liposomal cytarabine+daunorubicin)を用いることの有用性のevidenceが蓄積していること、またrelapsed/refractoryに対する新薬:IDH1/2阻害薬(Ivosidenib/Enasidenib)の成績が報告されていたこと
(いずれもORR 40%,OS 9ヶ月) 、更に最近FDAで承認されたGlasdegib
(hedgehog pathway阻害剤、75歳以上にlow
dose AraCと組み合わせて用いる)が紹介されていたことなどが印象的でした。
全体を通すとやはりCARTに関するテーマが最も多かった印象ですが、自施設で実際に使用するという観点からは、relapsed/refractory
ALLに対するBlinatumomab/Inotuzumab ozogamicin(IO)の使い分けの議論は非常に興味深いものでした。(2つを直接比べた臨床試験はないものの、Blastが多ければIO、Blastが少なければBlinatumomabが望ましいと議論されていました)
とても刺激的な4日間で、是非また来年も参加したいという思いが強くなりました。まず自分の現実的な目標としてはポスターセッションに採択されることかと思いますが、実際に演題を数多く見ることができ、どういうものが採択されるのか、具体的にイメージできるようになったことが今回の一番の収穫だと思います。
最後になりましたが、このような大きなモチベーションを得る機会をいただき、JALSG関係者の皆様に心より感謝いたします。本当にありがとうございました。