今回、JALSG Young Investigator ASH Travel Award 2019を拝受し、2019年12月7日からオーランドで開催された61st ASH Annual Meetingに参加する機会を頂きました。 国際学会への参加自体が初めてでしたが、参加者の多さと会場の広さに圧倒され、到着するなりスケールの大きさに驚かされました。規模の大きさゆえ、発表内容も基礎研究から最新の臨床試験結果まで多岐にわたり、全ての分野を万遍なく聴講するのは困難でしたので、今回は白血病関連のテーマを中心に回りました。ここ最近、本邦でもFLT3阻害薬やBiTE抗体が使用可能となり、AML・ALLともに治療のパラダイムシフトが起きつつあると感じていましたが、ASHではその何歩も先を行く議論がすでに行われていました。本邦でようやくCLLに適応となったVenetoclaxについては、再発/難治ALLに対するNavitoclaxとの併用療法の他、高齢者AMLに対するメチル化阻害薬(Azacitidine, Decitabine)との併用療法の長期成績なども報告され、将来的に実臨床での幅が広がっていくのではないかと感じました。また、個人的に興味深かったのはAMLに対する二重特異抗体です。いずれもPhase 1/2ではありますが、CD33/CD3のBiTE (AMG673, AMV564)やCD123/CD3のDART (Flotetuzumab)など複数の報告がみられ、有効性や安全性の面でまだ課題はありそうですが治療戦略として発展を期待させるものでした。 今回のASHへの参加を通じて、世界の最先端の一旦を垣間見ることができたのは非常に大きな収穫でした。一方で、自分がいつかこの場で発表者として世界にメッセージを発信することができるのだろうか、という点に関してはまだまだスタートラインにすら立てていないことを痛感させられました。まずは日々の診療の中で目の前の患者さんと真摯に向き合うこと、そして今後の大学院での研究活動を通じて一歩ずつ追いついていければと思います。 最後になりますが、このような貴重な機会を与えて下さったJALSG事務局の皆様、そして快く送り出して下さった所属施設の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。 |