今回、JALSG Young Investigator ASH travel Awardを頂き、オーランドで開催された第61回米国血液学会に参加させていただきました。オーランドはフロリダ州の内陸都市でディズニーランドやユニバーサルスタジオなど幾つものテーマパークを有する観光都市として知られています。残念ながら日本からの直行便はなく、今回私はダラス・フォートワース空港で乗り継ぎ、約14時間のフライトを経てようやく到着しました。 オーランドに到着すると空港に学会の参加登録所があることに驚きました。町全体で学会の開催を歓迎する雰囲気があり、国内学会との規模の違いを肌で感じました。オーランドは緯度的には日本の奄美群島と同じで、12月にも関わらず日中は25℃程度まで気温が上がり、半袖での参加者も多くみられました。会場では多くの講演が同時並行で行われており、前もって興味のある講演をアプリで登録して参加しましたが、予想以上に会場の規模が大きく、移動時間が予想以上にかかることも多々ありました。 私は現在、主に真菌や微生物に関する研究を行っております。今回のASHでは特に腸内微生物叢と造血器腫瘍との関連や感染症にかかわる分野の講演を中心に拝聴させていただきました。正直、国内学会と比べると感染症と血液内科の分野の線引きはしっかりしているのか、感染症関連の演題はそこまで多くありませんでしたが、いくつか面白い演題にであうことができました。特に移植患者における腸内真菌叢の演題(#194)では現在我々が進めている研究をすでにフランスのグループが発表していました。ショックを受けましたが、それと同時にコンペティターの存在を知り、そのグループと我々研究の違いなどを明確に知ることができて本当に良かったと思います。そのほか、腸内細菌叢のEducational Lectureでは駒込病院の先生方の論文が度々取り上げられており、同じ日本人として誇りに思いました。また、ASHでは移植のセッションは盛り上がりに欠けると以前から聞いておりましたが、今回のPlenary sessionではPost-CY関連の演題が選出されており、予想していたより移植の分野も盛り上がっているように感じました。 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えて下さったJALSGの先生方、事務局の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。 |