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清木 祐介 先生(筑波大学附属病院 血液内科)

この度はJALSG Young Investigator ASH Travel Award 2023にご採択頂き誠にありがとうございました。今回はオーランドで開催された2023 ASH Annual MeetingにWeb参加いたしましたので、ご報告いたします。
海外学会は欧州血液学会(EHA)には過去に現地参加させていただきましたが、ASHは今回が初めての参加でした。学会ホームページに示されている写真や動画などを見ますと、学会会場の大きさ、参加人数、演題数の多さなどはEHAと比較しても非常に大規模であることが感じ取れました。

今回臨床業務の合間の参加ではありましたが、再発難治DLBCLに対するCAR-Tを含めた治療戦略、新規分子標的薬によるAML治療などに関する演題を中心に聴講いたしました。こうした隙間時間でも最新の知見を得られる点もWeb参加の利点です。

再発難治DLBCLの治療については、日本で使用可能なCD79 ADC (Polatuzumab Vedotin)、CD20×CD3 Bispecific Ab (Epcoritamab)、CAR-T療法 (Tisa-Cel、Axi-Cel、Liso-Cel)に加えて、海外で使用可能なCD19 mAb [Tafasitamab + (Lenalidomide)]、CD19 ADC (Loncastuximab)、XPO1阻害剤 (Selinexor)など近年治療選択肢が増えており、それぞれが同等程度の治療効果を示しております。症例毎にどの治療をどのような手順で行うか、CAR-T療法をどこで組み込むか、また、CAR-T療法とBispecific Abとの組み合わせた治療の流れについてはASHにおいても議論となっておりました。今後の新たなCAR-T療法、治療効果を高めるための展望含め、非常に興味深い内容の演題が続きました。

また、新規分子標的薬によるAML治療についてはXPO1阻害剤 (Selinexor)やMeinin阻害剤をVenetoclaxを含むレジメンに組み入れた化学療法に関する報告がそれぞれ複数あり、注目度の高さを感じました。治療抵抗性AMLや、unfit症例においても良好な治療効果が示されており、今後の更なる報告が待たれます。

私の研究テーマである造血器腫瘍と脂質代謝というテーマに関する報告については、ASHといえどもoral presentationはほとんどなく、ポスター発表も数報に限られておりました。今後我々のグループにおいても研究を発展させ、ASHのような場で発表できるよう日々邁進して参ります。

最後になりますが、貴重な機会を与えてくださった千葉滋教授、JALSG関係者の皆様には改めて心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
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